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Flashがなくなる? - 「HTML5」でできること


マークアップエンジニア(いわゆるコーダー)にとって、“今風”の(最先端の)規格や記述方法について行けるかどうかは非常に重要な鍵となります。
筆者が常々申し上げている通り、マークアップ言語とは一つの「ことば」であり、マークアップエンジニアとは、言わば「ホスト(WEBの発信者)」と「ユーザー(閲覧者)」との間を橋渡しする「通訳」のようなものなのです。
当然、言語に流行や新語は付き物で、より流暢に操るにはそういった時代の流れに敏感である必要があるのです。

WEB制作の仕事に携わる方々なら誰しも聞いたことがあるWEB標準化の推進機関「W3C」が2008年1月22日に草案を発表した「HTML5」。予定では2012年3月頃、正式な勧告がなされます。
これはその名の通り、HTMLの歴史で5度目の大幅な仕様改正となり、これまでの中で最も革命的なものになることが予想されます。

特筆すべきは、「Adobe Flash」をはじめとした動的なコンテンツを表現するためのウェブアプリケーション、いわゆる「リッチインターネットアプリケーション」を置き換えることを目標の一つとして掲げていること。
そのため、このHTML5に向けて各ブラウザも「audio」・「video」という2つの要素への対応を進めています。

分かりやすい例を挙げると、毎度おなじみ「YouTube」さん。
ご存知の通り、動画のプレイヤーには現状Flashを使っていますが、「YouTube HTML5 動画プレーヤー」というFlashなしで動画を再生するベータ版のテストを公開しています。

実際に「Google Chrome」を使ってHTML5版の再生を試してみました。
YouTube HTML5 動画プレーヤー

スクリーンショットでもお分かりの通り、動画の上で右クリックしてもFlash特有のコンテクストメニューではなく、HTMLとしてのメニューが表示されました。間違いなくFlashではありませんね。
実際に動かしてみて分かるのですが、やはり「軽い」という印象が強いです。Flashではないので、動画上でマウスホイールを使ってもちゃんとスクロールされますし、とにかく閲覧者へのストレス軽減が期待されます。

もう一つ、有名な実装例としてこんなサイトがあります。
HTML5 Canvas and Audio Experiment
これ、Flashは一切使ってません。すごいですねぇ。
あ、当然ですが、HTML5に対応したブラウザでご覧下さい(Safari 3.1以降、Google Chrome 3.0以降、Firefox 3.5以降、Opera 10.5)。

さて、最初の方で「言語に流行や新語は付き物」と書きましたが、流行の中で必ず生まれるもの、それは「略語」です。
この仕様改正には、新しい要素・属性の追加だけではなく、よりスマートなコーディングを実現する「記述の簡略化」も含まれています。
例えば、今までドキュメントタイプを

 <!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Strict//EN" "http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-strict.dtd">

と宣言してましたが、HTML5では単に

 <!DOCTYPE html>

と書くだけでOKらしいです。エコですねぇ。

さぁ、全国のマークアップエンジニアの皆さん、若い衆に「えー、それ古いーw」なんて言われないように新しい言葉遣いを覚えていきましょう。
面白い情報があれば是非お知らせ下さいm(_ _)m

徹底解説HTML5マークアップガイドブック